『俺だけレベルアップな件』、思ったよりずっと手堅い。
いわゆる最弱からの成り上がりを眺めて気持ちよくなるだけの作品、で終わらない。
危険すぎる世界で生き残るために、主人公が判断して、準備して、走って、また判断する。その積み重ねが丁寧で、しかも毎話ちゃんと引きが強い。まずそこが面白い。
この記事で書くこと
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どんな話か(ネタバレなし)
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見どころ(良かったところ)
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好みが分かれそうな点
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おすすめできる人/おすすめしにくい人
どんな話?
異次元と現実世界をつなぐゲートが出現し、ダンジョンとモンスターが当たり前になった世界。
そこに挑むのが、特殊な力を得た人間たち、ハンター。
主人公の水篠旬は、そのハンターの中でも最低ランク扱いで、日々の稼ぎも命もギリギリ。
そんな彼が、ある出来事をきっかけに、自分だけがレベルアップできる仕組みに放り込まれていく。
軸はかなりシンプルで、目の前の危機を越えるために準備して、挑んで、結果を積む。基本はこれの反復。
だから観ていて迷子になりにくい。なのに緊張感が切れない。ここが強い。
見どころ(ネタバレなし)
1)成長が、唐突な覚醒じゃなく積み上げで見える
急に万能になるのではなく、負けそうになる→備える→試す→次の課題が出る、の段がある。
ゲームっぽい仕組みを使っているのに、やっていることはわりと地道で、そのぶん変化がはっきり見える。
この設計、観ていて安心感がある。変に置いていかれない。
2)ダンジョン攻略の怖さが、序盤からちゃんと怖い
現代寄りの世界観なのに、ダンジョンの中は別物。
勝てるかどうか以前に、判断を間違えると終わる、がずっと背後にいる。
この空気があるから、成長が軽く見えない。強くなっても、油断したら死ぬ。
3)戦闘が、見せ場として成立している
派手に動くだけじゃなく、距離・速度・一撃の重さが伝わる画づくりが多い。
それに澤野弘之の音楽が乗ると、場面の温度が一段上がる。ここで盛り上げたい、が分かりやすくて相性が良い。
4)主人公の変化が、周囲の反応で立体になる
主人公の独白だけで押し切らない。
周りが、何が起きているんだ、と視線を変えていくことで、成長が社会の中に接続される。
結果、ひとりで突っ走る話になりにくい。ここが観やすさにもつながっていると思う。
好みが分かれそうな点
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成長のスピードが合わないと、展開が都合よく見える可能性はある(仕組みが分かりやすいぶん、好みが出やすい)
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暴力表現や危険な場面は普通にある。軽い雰囲気だけを求める人には向かない
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序盤は状況説明と仕組み提示が多め。そこを越えるまでが分岐点になりがち
おすすめできる人
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成長ものが好きで、段階が見える作品を探している
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現代×ダンジョン設定が好き
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戦闘の迫力と音の盛り上げを重視する
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1話ごとの引きが強い作品が好き
おすすめしにくい人
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のんびり日常中心の作品を探している
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緊張感の強い展開が苦手
まとめ
『俺だけレベルアップな件』は、成長の過程を分かりやすく積み上げつつ、ダンジョン攻略の緊張感で視聴を続けさせる作品。
派手さだけじゃなく、準備・判断・積み上げが物語の芯にある。成長ものが好きなら、試す価値は十分ある。
